両親を殺人事件で亡くした天野直人・七海の兄妹は、養父なる人物に呼ばれ、長野山中のペンションを訪れた。待ち受けていたのは絞殺事件と、関係者全員にアリバイが成立する不可能状況!
推理の果てに真実を手にした二人に、諜報機関が迫る。名探偵の遺伝子群を持つ者は、その推理力・問題解決能力から、世界経済の鍵を握る存在として、国際的な争奪戦が行われていたのだ……!

── 裏表紙あらすじより。


初めて読む似鳥鶏著作品。
……まいったなァ、また新しくお気に入りな作家が出来てしまったー(^^;

序盤は正直パッとしないカンジだったのだけど、すぐに事件が起きて、、、
それから先は、メインでパッとしない理由だった直人・七海も少しずつキャラ立ちしてくるし、起きる事件“SD案件”も“不可能状況”なだけにどきわく感があるし、
面白い!

御子柴家、辰巳サンも石和サンもカッコ好くて好きなのだけれど、中でもやはり幸村サンが一番好み♪
※===== 以下読中付箋貼付箇所 =====※
P115 L6
「諦めろ。自由に生き方を選べる人間など、地球全体で見れば十人に一人もいない」

P145 P3〜
この物語のキーワードでもある「ホームズ遺伝子群」の辰巳サンによる説明箇所。
100%ではないけれど、ほぼほぼ自分に当てはまる内容でビックリ。
ただし、自分にはここまでの「問題解決能力」はないのだけれど、ね(^^;

P242 L1
「黙っているだけでお前を求めてくれる人間などいない。生きている価値のある人間になりたいなら、誰かに求められるのを待つな」
「戦え。自分の価値は自分で創れ」

P244 L1〜
七海から直人へのメール本文。
そしてそこから直人の決意。
涙がボロボロこぼれてきて止まらなくなり……暫くの間、読み進める手を止めざるを得ない状況になってしまった。

P296 L6
名探偵でありながら、他人の生死に一切関わらないでいたいなどというのは甘いのだ。ブラウン神父は殺されそうになったことがある。シャーロック・ホームズだって銃撃戦をしているではないか。